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冬の皮膚の乾燥対策

2016/12/28 東京ほくと

王子訪問看護ステーション看護師 佐藤利枝(りえ)

冬は乾燥が起こりやすい

 健康な人の皮膚は水分をためる働き(皮膚のバリア機能)が備わっています。しかし冬になると多くの人が皮膚の乾燥に悩まされます。その原因の一つが温度の低下です。気温が低くなると発汗が少なくなります。また汗とは別に角質を通じて出てくる水分がありその量も少なくなります。この水分と汗には皮膚を潤す働きがありますが、どちらも少なくなるため、皮脂膜や角層の状態に影響し皮膚の乾燥を招いてしまうのです。
 また、湿度の低下も皮膚の乾燥の原因になります。大気の乾燥により皮膚の水分が蒸発しやすくなり、さらに暖房器具などの影響で皮膚の乾燥を加速させてしまいます。

乾燥した皮膚を放置すると

 乾燥した皮膚は皮脂膜や角層が乱れているため、外からの刺激を受けやすく痒みや湿疹の原因になります。痒みによって掻き壊してしまい炎症が起き痛みにつながることもあります。

乾燥を防ぐには、次のことに気を付けましょう

①熱いお風呂に入らない

 入浴すると皮脂が溶けます。お湯の温度が高いほど溶けるスピードが速まるので目安として42度以下のお風呂につかるようにしましょう。
 特に高齢者は加齢に伴い角質が薄いため39度位のぬるめの温度が良いでしょう。

②体をゴシゴシ洗わない

 体を洗うときはボディソープをしっかり泡立てやさしく手で洗いましょう。固形石鹸はアルカリ性で洗浄力が強いため、肌と同じ成分の弱酸性の石鹸を使用するようにしましょう。

③部屋の湿度を保つ

 湿度40%以下は空気が乾燥しているので加湿器を使用し50~60%に保つようにしましょう。

④適度な運動をする

 冬は発汗が少なくなるため、適度な運動で血行を良くし新陳代謝を高め、汗をかくようにしましょう。

⑤保湿剤を塗る

 もっとも重要なことは保湿剤を塗布することです。角質が水分を吸収している入浴後10分以内に塗るととても効果的です。その際水分はしっかりふき取ってから塗りましょう。
 尿素入りの保湿剤は、首から下に塗るようにしましょう。