誰もが安心して住み続けられるまちづくり

医師のダイエット体験 ~野菜中心で健康に~

2021/02/24 東京ほくと
1999年、ダイエットを決意しました。帰宅後、毎日1時間以上速足ウォーキングを8千歩ほどしましたが、半年経っても一向に体重は減りません。ウォーキングは断念しました。
2014年にLDLコレステロール(悪玉、以下LDL)が190㎎/dl(正常値139以下)となり、食事療法を模索しました。朝食は摂らず昼食が楽しみだったので、夕食を変えました。卵や固形脂肪(バターやラードなど)を極端に減らし、まず大きな丼1~2杯分の野菜で食物繊維を大量に摂りました。
野菜だけで腹が膨れ、大好きなご飯は大盛2杯から軽く1杯に減りました。当初は深夜の空腹に悩まされたものの、1か月もするとそれもなくなりました。
1か月後にLDLが170㎎/dlに下がり、この食生活を継続。1年後は130㎎/dl台と正常化、痩せる目的ではなかったのに体重は10㎏も落ちたのでした。運動だけでは成功しなかったダイエットが、野菜中心の食生活に変えたことですんなり成功したのです。
2015年に日米の学界でLDLを上げないための制限食は不要との見解が出されたことや、体重を1㎏減らすとLDLが10㎎/dl前後下がると言われていることから、今回のLDL低下の主因は体重減少にあるものと考えられます。
高血圧・糖尿病・高コレステロール血症・肥満(メタボ)は、遺伝的素因や生活習慣がその発症・進行に関与する疾患です。放置しておけば自覚症状なしに動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こし、その後の生活レベルを大きく悪化させてしまいます。
運動療法が有効な高血圧は体重1㎏減少あたり1・6㎜Hg程度の低下にとどまりますが、太っている人がダイエットする意義は少なくありません。糖尿病・高コレステロール血症ならより効果的と言えます。
大量野菜ファースト+ご飯節約ダイエットは、万人に有効とは言えないかもしれません。しかし天候不良でも、足腰が痛くても、不要不急の外出が制限されていても、実行可能な健康維持法の一つとして試してみる価値はあると思います。私は同じ食生活を続けて、6年後の今も体重―10㎏を維持しています。

江北生協診療所 
所長 渡邉 郁夫