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携帯・活用していますか 知ってほしい「お薬手帳」

2021/08/18 東京ほくと

お薬手帳がとても便利なものであるということはご存じですか。患者さんにとって安全で効果的な治療を行っていただくために、薬剤師が責任を持って薬を提供しています。そのために、患者さんから提示されたお薬手帳を基に、今飲んでいる薬や過去の服用歴、副作用・アレルギー歴の記録を確認しています。
新しい薬が処方された際には、その薬とほかに飲んでいる薬との飲み合わせが安全であるかどうかを確認した上でお渡ししています。この時、お薬手帳が無いと確認作業が長引いたり、飲まなくてもよい薬を知らずに飲むことになってしまったり、場合によっては副作用が出てしまったり、と不利益をこうむってしまう可能性があります。お薬手帳があることは、患者さんの安全のために非常に重要です。
このためお薬手帳は、かかっているすべての病院・診療科の薬の情報を1冊に記録する必要があります。現在2冊以上お使いの方は、薬局で1冊にまとめてもらいましょう。
お薬手帳は、災害時にも役立ちます。かかりつけ医療機関が被災して主治医と連絡が取れなくなってしまったときにも、薬局で管理している服用履歴(薬歴)やお薬手帳があれば、現在服薬中の薬が一目でわかります。すると、後から処方箋を書いてもらうことを条件に、薬局でスムーズに薬を受け取ることができます。
災害時以外も、外出先で具合が悪くなったりしたときにお薬手帳を携帯していれば、医療スタッフが迅速に原因を究明して患者さんにとってより適切な治療を施すことができます。このように、もしもの時のためにもお薬手帳を携帯することは、自らの身を守るためにも重要なことなのです。
お薬手帳は、患者さんの健康状態の証明書のような役割を持ちます。それを基に、処方されたお薬がその人にとって最適かどうかを薬剤師が正確に判断することができます。その活用法は様々で、薬や病状に関する疑問や残っている薬の数などをお薬手帳に記入すると、気軽に相談できます。
また、お薬手帳を受付に出すと、3割負担の方で約40円ほど会計が安くなります。現在は紙のお薬手帳のほかに、携帯アプリのお薬手帳を持つことができ、より利便性が向上しました。紙のお薬手帳は薬局にて無料で作ることができるので、まだお持ちでない方はぜひこの機会にお薬手帳を作ってみてください。

あすか薬局薬局長 大野 愛


お薬手帳は気軽に持ち歩ける大きさ。準備しておきましょう