誰もが安心して住み続けられるまちづくり

水害から命をまもるためにやっておきたい5つのこと

2020/10/21 東京ほくと

鹿浜診療所長 平山陽子


台風シーズンになりました。昨年の台風19号では、たくさんの川が氾濫して大きな被害が出ました。東京でも荒川が氾濫の一歩手前までいきました。夜の間ずっとサイレンが鳴り続けてとても怖かったですね。
北区、足立区、荒川区は荒川と隅田川が流れているため、広い地域で水害の恐れがあります。避難所はどこも満杯になります。コロナ禍では密になるのを避けるために「分散避難」をすすめています。できれば、水害が起こらない場所に住んでいる親戚や知人、ホテルなど「避難所ではない場所」に避難しましょう。
王子生協病院のある北区豊島地域は5mの浸水が予想される「早期立ち退き地域」になっています。水害時には3階以上に避難する必要があります。(3mは2階の床下まで、5mは2階の天井まで水につかります)水害から命を守るために、台風がくる前に次の5つを行ってください。
①避難するかどうかを決める‥自分の住んでいる地域の危険度をハザ-ドマップで確認しましょう。
「早期立ち退き地域」→木造家屋は流される恐れがあるため避難
浸水深3~5m→3階以上に避難
浸水深5m以上→4階以上に避難
②避難先を決める‥できれば分散避難(自宅、または親戚、知人、ホテル)、だめなら高いところにある避難所に逃げましょう。足立区、荒川区は全域が浸水域なので区を越えた避難も考えましょう。高台やマンションの高い階に住んでいる人は知り合いに声をか け、泊めてあげましょう。お互いに助け合いましょう。
③避難するタイミングを決める‥早めが良い「警戒レベル4」(避難勧告)では遅いこともあるので、「警戒レベル3」(避難準備、高齢者等避難開始)で避難します。台風19号ではたくさんの人が逃げる途中に車の中で亡くなりました。風雨が強くなる前に移動しましょう。(図‥足立区水害ハザードマップより)

④停電や断水にそなえる‥食べ物や水は3日分、できれば7日分用意しておきます。4人家族なら36食、水も36ℓ(一人1日3ℓ)必要です。簡易トイレも用意しておきましょう。私は4人家族なので60回分(一人1日5回として)買いました。懐中電灯や乾電池、携帯の充電器、卓上コンロ、消毒液、持病の薬(2週間分)なども必要です。
⑤情報を集める‥住んでいる地域のLINEアカウントや防災メールを登録しておきましょう。東京都の防災アプリも役に立ちます。