誰もが安心して住み続けられるまちづくり

「想い」を支えるリハビリ 通所リハビリの仲間がいるからがんばれる

2017/04/12 東京ほくと

「娘とバージンロードを歩きたい」

3人の娘の父親
 3人の娘さんの父親である横田恭(きょう)寿(じ)(神谷在住・54歳)さんは、左側に麻痺があります。7年前に脳出血・くも膜下出血を発症、その後、十条訪問看護ステーションの訪問看護・訪問リハビリを利用。その効果もあり、車椅子中心ですが自宅内での生活動作が安定し、電動車椅子での外出も可能となり、歩行訓練も積極的に始めたところで、約2年半前から「ほくとはなみずき」通所リハビリの利用開始となりました。
 当初は、「自宅内で車椅子から離れて杖歩行の安定」「安全な歩行のための体力アップ」「他者との交流」といった、身体の動きや体力アップを目標に精力的にリハビリに取り組まれていました。

娘の結婚式でバージンロードを歩きたい
 体力も向上し日常生活の動作も改善がみられてきた頃に、「8ヵ月後の娘の結婚式にバージンロードを歩きたい」といった想いが聞かれました。これは、ただ赤い絨(じゅう)毯(たん)の上を歩くという単純なことではありません。

花嫁の父親として自信を持って担って欲しい
 当通所リハビリは担当制ではないので、利用者さん全員をスタッフ全員で支えます。介護・看護・リハビリの各スタッフは、ご本人の機能や能力について検討し、さらに「一般的な結婚式」に照らし合わせて「出来ていること」「出来るようになる必要があること」「ご家族や式場スタッフなどの他者に手を借りる必要があること」を検討し、ひとつひとつ目標をクリアできるように支援しました。

お父さん格好良かったのよ
 当日、無事に花嫁の父親という大役を勤め上げたと、奥様が報告をしてくださり、その時に、「リハビリを通して、自分が支えるだけではなく、支えあっているという事に気がついた。夫婦の絆が強くなった」とも、仰っていました。

生活支えるリハビリ
 人生における「役割」を担う支援を行う、それを多職種で支える、そして何より発症から年数が経った方へも継続したリハビリ支援を行える、これらが通所リハビリの醍醐味です。
 ほくとはなみずき通所リハビリは鹿浜診療所内に移転し、事業継続(4月3日開設)が決まりました。荒川生協診療所内の通所リハビリとともに東京ほくとの通所リハビリ部門は、日常生活だけではなく、広い意味での生活や人生を支える支援が出来る場所であり続けたいと思っています。(介護老人保健施設ほくとはなみずき通所リハビリ主任・小林祐貴・3月末現在)

 

結婚式に出るまでの訓練・スタッフみんなで協力

必要な事の例
①バージンロードの長さは?
②歩く速度は?
③新婦の父は左右どちらに立つ?
④ドレスを踏まないように歩く
⑤他者(音楽や新婦)のペースに合わせた歩行
⑥結婚式場までの交通手段
⑦式場の動線
⑧お手洗いの環境

実際の取り組み例
①体力をつける
②長い距離を一定のペースで良い姿勢で歩く
③④ドレスに見立てたカーテンを持ったスタッフとゆっくり歩く
⑤スタッフのペースにあわせて歩く(音楽をかけながら)
⑧立位で男性用トイレを使う練習
※チャックやズボンの上げ下ろし等の色々なパターンを男性スタッフ全員で検討