誰もが安心して住み続けられるまちづくり

私たちが求めるのは 憲法に根差した都政

2017/05/10 東京ほくと

7月2日は都議会議員選挙

 4月の東京都広報の見出しでは「国際金融・経済年に向けた取り組みを加速」とあります。そこにはアジアNO・1などの表現もみられますが、果たして私たち都民の立場に立つ都政となっているのでしょうか?

国民皆保険を守る都政に

 東京都が進める国民健康保険(以下国保)の〝広域化〟(医療費適正化の名のもとに都が国保を医療費削減の道具とする)がすすむことにより国保料過去最大の値上げが始まります。その制度のもとで、厳しい取り立てが各区で起きています。18歳以下の子育て世代へも差押えがあるのが現実です。
 特に子どもの国保料金は、2017年度から一人年4万9500円になり、社会保険の家族にはみられないものです。区によっては子どもの約1割が短期証(保険料滞納者は保険証有効期限が短期)という区も生まれています。国が保険料の国庫負担率を引きあげることを東京都から国に対して要請し、国民皆保険を守ることを率先する政策への転換が求められます。

高齢期に安心して住み続けられる都政に

 一人暮らしの高齢者の4割以上が孤立死を身近な問題と感じ、そのうち70歳以上の女性6割が貧困状態です。東京都医務監察院の調査では、23区内における一人暮らしで65歳以上の自宅での孤独死は2891人(2014年度統計)です。また、家賃の不払いによる都営住宅からの強制退去は都内で昨年180件ありました。そして、特別養護老人ホーム(以下特養)の待機者は都内に4万人いるにもかかわらず、特養整備費が37億円(2017年度)も減額されています。
 都営団地への入居の促進と増設、介護労働者の慢性的人手不足の解消、介護事業者が安心して経営できる介護報酬なども大事な問題です。安心して住み続けられるまちづくりを、国にさきがけて実践する都政が求められています。

子育て世代が報われる都政に

 「一人目の子どもの時は入所、二人目で入所できずに退職の危機」待機児童の問題です。東京都の対応は「様々なニーズ」といった表現の中で無認可も選択肢という見解を取ってきましたが、認可保育所を増やすことが急務です。
 就学援助は有効な制度ですが、入学前に必要な諸費用(制服、学用品)に対応できていません。一部の区では準備金の入学前支給がありますが全都に広げることが大事です。また大学受験に合格したのに、入学金が払えず辞退といった事例も出ています。
 家で十分な食事がとれない、孤食となっている家庭を背景に食事を提供する子ども食堂が全国でも400ヵ所を超えました。経済的な貧困以外にも、時間的ゆとりやコミュニケーションの貧困を解消する場にもなっています。
 子どもの貧困・格差貧困社会の背景に、非正規労働、低賃金労働があります。最低賃金を守っていない大手ファーストフード店も現実にあります。こういった企業への指導も東京都に求められます。

最低限の生活をとりもどす都政へ

 私たちが求めるのは憲法に根差した都政です。私たち都民の願いは、グローバルな話よりも、身近な問題の解決を求める声が大多数です。豊洲問題にみられるような安全安心の置き去り、都民不在の移転決定と大企業優先、大型開発優先の道路建設で立ち退きで困る都民が続出している現実もあります。憲法が定める健康で、文化的な最低限の生活をとりもどす都政への転換を望みます。

(組織部・森松伸治)

王子生協病院受付