誰もが安心して住み続けられるまちづくり

認知症カフェ〝さくらカフェ〟のとりくみ悩みや自身のこと打ち明けて

2016/09/07 王子生協病院

みんなで体操します

 最近よく聞かれるようになった「認知症(オレンジ)カフェ」という言葉ですが、なじみのない方もいらっしゃるかもしれません。これは、厚生労働省が掲げた「認知症施策推進総合戦略(通称オレンジプラン)」の中で認知症の介護者の負担軽減策として出されたものです。街中のカフェとは違い、主に高齢者あんしんセンターが企画・主催しているのが特徴です。最近では診療所などでも開催されています。
 王子生協病院では2014年2月から「さくらカフェ」を病院内で2ヵ月に1回開催しています。参加者は王子生協病院に通院している認知症の方とそのご家族、認知症が気になる方にもご参加いただけるよう、外来にポスターを掲示しています。スタッフは看護師・リハビリ・ケースワーカー・薬剤師・事務で行っており、ボランティアの方も加わるようになりました。
 カフェは2時間で、あいさつから始まりお茶やお菓子など食べながら30分ほどの学習会(認知症について、介護保険や薬の話)を行い、その後患者さんは体操やカラオケ・散歩・風船バレーなどの運動、ご家族はスタッフを交えての懇談会を開いています。
 介護保険を活用していない方がほとんどのため、初めは戸惑った様子でしたが、皆さん元気にカラオケをしたり、運動に参加されています。学習会では、認知症の話をすると「やっぱり自分は認知症なんだな~」と話され真剣に話を聞かれています。ご家族も普段周りに相談できない悩みや、ご自身の体のことなどを話され、ご家族様同士で話し合う場面も多くあります。
 この会では、なるべく医療者からの一方通行の会話にならないよう心掛けています。また、参加を重ねる中で介護保険のサービスを活用したいと話される方もいらっしゃり、実際にサービスにつながったケースもありました。
 最近はボランティアの方々が手作りの名札を作成してくれ、季節を感じるいい機会となっています。また、次回のアイディアも出してくれ大変心強いと感じています。外来通院時や入院中には見られない患者さんの姿を見ることができ、スタッフも逆に笑顔や元気をもらっています。今後も活動を続けていきたいと思います。

*さくらカフェ~偶数月第3金曜日午後2時から 参加申し込みは、王子生協病院外来看護師にお声かけください。
(認知症看護認定看護師・千葉幸子)