誰もが安心して住み続けられるまちづくり

「食べること」を支援 再加熱カートが新しくなりました

2019/11/20 東京ほくと

季節感をとり入れ 献立に変化

機能的配膳車の再加熱カート
王子生協病院の入院食は、東京民医連の給食の共同化として設立されたセントラルキッチンリップルから、毎日届きます。
厨房では食事をチルド(注)の状態で盛り付け、再加熱カートにセットしてカート内で直接加熱し、料理の適温を維持した状態で患者さんに召し上がっていただくという衛生的で安全なシステムを採用しています。再加熱カートは冷蔵と加熱を1台でこなす機能的配膳車です。今年9月再加熱カート7台を新品に入れ替えていただきました。
※(注)チルドとは、食べ物を凍結寸前の温度まで冷却・保存した状態。

命と健康を支える
私たち栄養課の職員(管理栄養士・栄養士・調理師)は「食べること」を支援する専門職として、臨床の場で、生活の場で、命と健康を支える役割があります。
臨床の場では咀嚼(そしゃく)や飲み込む力が弱くなった患者さんに対し、言語聴覚士と共同して嚥下(えんげ)調整食を提供しています。調理の工夫として、お粥の粒をなくしてペースト状になめらかに仕上げ、べたつきを抑えています。おかずもなめらかなペーストにしたり、形があっても舌や歯茎で押しつぶしが容易な食形態に仕上げています。液体でむせるなどの症状のある方にはとろみをつけるなど、細やかな工夫をおこなっています。

病棟ごとに工夫
また、回復期リハビリ病棟では栄養障害を早期に発見し、機能改善に適した栄養をしっかり摂って頂くようなメニューをお出しします。
一般病棟や回復期病棟では栄養サポートチーム(医師・看護師・リハビリ技師・管理栄養士)により栄養改善に取組んでいます。
緩和ケア病棟では少しでも食事を楽しんでいただけるよう麺類やいも煮をお出ししたり、デザートなどで工夫を凝らしています。
患者さんに評価され、喜んでいただける食事を提供する上では、献立の内容が大きな要素になります。セントラルキッチンリップルでは毎月、季節感を取り入れた行事食やお楽しみ料理で献立に変化をつけています。この10月より全面的な献立のリニューアルがおこなわれ、毎日、工夫を凝らした新メニューが届いています。

治療効果高める食事提供めざす
私たちは、より安全でおいしく、治療効果を高める食事の提供を目指しています。
今後も、積極的にベッドサイドに伺い、患者さんのご意見をお聞きして献立改善につなげます。給食の共同事業としてリップルとの連携を深めて食事の質向上により、満足度(おいしい)が高まるよう努力していきたいと思います。

(栄養課課長・平嶋順子)