誰もが安心して住み続けられるまちづくり

医療と介護の現場 問題解決のお手伝い

2016/10/19 東京ほくと

患者・家族の強みを活かす支援

 ソーシャルワーカーは患者さんとその家族に関わる経済的、社会的、心理的な悩みなどの相談を受け、 社会福祉の専門家として面接などを通して、問題解決のお手伝いをします。
 私は問題の解決者ではなく、患者さんやご家族が自ら生活していく力を引き出す支援者でありたいと思っています。しかし支援はソーシャルワーカーだけが行うのではありません。病院や地域や行政など社会には多くの支援者という社会資源があり、「患者さんが安心して自分らしく生活してほしい」と願いながらそれぞれの専門職が強みを活用して支援を行っています。また支援する中で患者さんやご家族も色々な強みを持っていることに気づかされます。
 例えば、家族の協力が強くなったこと、社会保障制度などに関心を持ち情報収集出来るようになったことなどです。また接する中で患者さん自身やご家族も支援者なのだと感じました。私は支援する際にはその強みをどれだけ見出し活用することが出来るかも専門職のスキルだと感じます。介護負担が重く、家族と共に病棟スタッフが在宅か施設かを悩んだ事例では、最終的には患者さんの「家に帰りたい」を尊重したいという思いが家族やスタッフで合致し、その後、多職種で連携し在宅復帰出来ました。これからも患者さんやご家族の持っている強みに気づき、活用しながら支援していきたいと思います。


(王子生協病院医療ソーシャルワーカー・瀬尾真奈美)