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理事会だより 秘密裏に進められているTPP

2016/05/04 東京ほくと
理事長あいさつ 大山美宏 TPPの国会審議が始まりました。TPPの交渉はまったく秘密裏に行われ、国会の留保条件にも反しており、本来なら国会で承認できない代物です。国会の特別委員会に出された、交渉過程に関する資料はほぼ全部黒塗りというありさまです。協定の日本語訳は2200ページもあり、把握するだけでも大変です。だれも理解しないで評論しているといえます。まともな判断ができていないと考えて間違いありません。 本家の米国大統領選挙予備選においてTPP賛成の候補はすでに全員降りました。残っている4候補はすべてTPP反対です。日本政府だけが突き進もうとしています。 ISD条項について 今日は、あまり知られていないTPPの中にあるISD条項について触れます。ISD条項とは、外国投資家と国家の紛争解決の手段です。わかりやすくするために国際司法裁判所をあげます。国際司法裁判所は、世界の5つの地域を代表する15人の法律家によって構成される常設の機関です。一方、ISDは紛争の都度、3人の仲裁人を選任し、この3人に投資受け入れ国政府の措置の違法性の判断や、賠償額の決定をゆだねます。合議体は、当該の紛争に結論を出せば解散する、一審限りの制度であり、上訴審はありません。その結論に従わなければならないとなっています。仲裁人は、国民に対しなんら責任を負わないとしています。これまで勝訴したのは米国投資家に限られ、一方米国は敗訴したことがありません。つまり米国が負けないようになっているとんでもない制度です。 関税などの今回の取り決めだけでなく、ISD条項によりどんどん日本が破壊され、日本の市場がますます売り渡されていくことになります。医療もあまり内容が出されておりませんが、この条項がある限り、日本の皆保険制度にもとづく医療制度や薬価制度の根幹が破壊されていくことになります。絶対、反対していきましょう。