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ノロウィルス感染症 対応と予防

2016/11/23 東京ほくと

11月から2月にかけて流行します

ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は一年を通して発生し ていますが、特に冬期、11月から2月にかけて流行します。牡蠣(かき)などの2枚貝の生食による食中毒のほか、感染者の吐物や便を介して感染します。

〈症状〉
感染すると約1、2日後に吐き気、おう吐、下痢、腹痛、微熱などの症状があらわれます。特効薬はありませんので、症状が続く期間は脱水にならないように水分を補給することが大切です。通常、症状は1、2日間で消失し治ります。しかし、子どもや高齢の方などでは重症化したり、まれにおう吐した物をのどに詰めて窒息することがありますので、よく観察することが大切です。

〈感染力が強い〉
ノロウイルスは、「感染力が強く少量でも感染する」「症状が消失した後も1週間程度(長期の場合もある)は便中に排泄される」「感染しても発症しないこともある」ことにより、ヒトからヒトへ感染が広がりやすく注意が必要です。

〈予防法〉
①最も大切なのは手洗いです。帰宅時、調理を行う前、食事の前、トイレ後、おう吐物の処理をした後、オムツ交換など排泄の介助を行った後は、流水と石けんでしっかり手を洗い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。
②ノロウイルス感染の原因となる牡蠣など2枚貝の生食はさけ、中まで十分に加熱調理します。まな板、包丁等の調理器具は、他の食材への二次汚染防止のため専用にするか、使用の都度洗浄、熱湯消毒または家庭用の塩素系漂白剤で消毒します。
③おう吐物や下痢便の処理時は、マスク、手袋を着用し、雑巾等で吐物、下痢便をしっかりとふき取り、ビニール袋に入れて密封し捨てます。その後うすめた塩素系消毒剤(200ppm以上・家庭用漂白剤では200倍程度)でおう吐物や下痢便のあった場所を中心に広めに消毒します。おう吐物や下痢便で汚れた衣類も同様に、マスクと手袋をしてバケツなどでまず水洗いし、更にうすめた塩素系消毒剤で消毒します。(塩素系漂白剤の使用にあたっては「使用上の注意」をよく読んでから使用して下さい)
(王子生協病院副総看護師長・感染管理認定看護師・深山晴海)