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病気の話 インフルエンザにもワクチンが効果的

2021/10/27 東京ほくと
インフルエンザにもワクチンが効果的 ~新型コロナ同様の感染対策

王子生協病院 診療部長 田 直子


2020年1月に日本国内で最初の新型コロナウイルス感染症患者さんが報告されて以降、インフルエンザの報告数が減少しました。新型コロナとインフルエンザ患者さんの同時流行が懸念されましたが、幸い免れました。これは日本だけではなく、世界中で起きている現象です。複数の要因が考えられると言われています。
一つは、新型コロナに対して行われている感染対策がインフルエンザの感染対策でも同様であるからです。マスクの着用、手洗いうがい、ソーシャルディスタンスを保つこと、いずれの感染対策においても、これからも最も大切な方法と言えます。海外旅行をする人が激減しているのも、その一因と言われています。
さて、この冬はどうでしょうか。日本でのインフルエンザの流行を予測する上で参考にされているのが、季節が逆である南半球の状況です。
2021年も南半球のインフルエンザの報告数は極めて低い水準のようです。そう考えると、今年の冬もインフルエンザが流行しない可能性が予測されます。
しかし、だからといって「感染対策を緩めていい」という判断は危険です。昨年かからなかった人が多い分、インフルエンザに対する免疫を持たない人が増えている、ということにもなります。
そうすると、流行する場合は爆発的に増えてしまう可能性も考えられます。ですから、インフルエンザを予防するワクチンの接種は、これまでと同様にお勧めします。
インフルエンザワクチンは、一定程度の発病予防効果と重症化予防の効果が確認されています。高齢の方、持病をお持ちの方はぜひ接種をしてもらいたいと思います。
ワクチンの効果は接種後1~2週間後から発揮され、たいてい6か月程度は続くと言われています。早めの接種予約をお勧めします。(接種予約については自治体からの案内を確認してください)
もしもインフルエンザにかかってしまったかもしれない、という場合は休養、水分摂取を心がけ、かかりつけ医への電話相談をお願いします。
インフルエンザの症状は咳、鼻水、高熱、関節痛、全身痛などと言われています。私はインフルエンザになったことがないのですが、罹患した方の様子をみていると単なる風邪とは大きく違うな、と感じます。
予防できる病気は自分で予防する。疲れをためない、バランスよく食事を摂るなど生活を整えることに加え、マスク、手洗いうがい、ソーシャルディスタンスにインフルエンザワクチンの接種で、自分のことも大切な人のことも守っていきましょう。