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看護師4人が熊本へ

2016/06/22 東京ほくと
益城町に隣接する熊本市沼山津の現状

益城町に隣接する熊本市沼山津の現状

物資持参で聞き取り訪問
 全日本民医連・東京民医連の呼び掛けに応え、4月23日より4人の看護師が熊本現地で医療支援を行いました。今後、医師の支援が予定されています。皆様からの募金は約64万円お預かりし、東京民医連を通して現地に届けています。(5/20現在)

王子生協病院 
看護師 関根 伊津子
 私は4月23日から3泊4日で、熊本市内にある「くわみず病院」の急性期病棟に支援に入りました。患者さんは、地震後の避難所などからの入院が多く、主に清潔のケアや食事の援助などを行いましたが、入院に必要な物品のない中での入院生活でしたし、ほとんどの方がご家族の面会もない状況でした。病院で働く職員自身も被災されて職員の約3分の1が車中泊という状況のなかでも、安全な入院生活を提供しようと本当に一生懸命でした。

王子生協病院 
看護師 槙石 朋世
 4月25日から28日まで、益城町に隣接する「熊本市沼山津」の患者宅を訪ねてまわりました。道は割れ、塀は崩れ瓦は落下していました。路地はゴミが山積みで倒壊した家が多く、道が塞がっている所もありました。「長く住んだ家が目の前で崩れた。見るだけで何もできない」と話す方、入浴中に地震にあい体中に痣(あざ)がある方、家では動悸がすると車中泊をする方、非常食で糖尿病が悪化した方、ヘルパー介助がなくトイレにいけない方、余震が続く中「アルバムだけでも」と倒壊した家の中で探す方。それぞれに診療案内や簡単な診察をし、必要物品を届けました。
 「遠くからありがとう」と言葉をいただき、その笑顔に私の方が元気をもらっていました。

荒川生協診療所
看護師長 乾 いつ子
 私は、4月27日から30日まで菊陽病院の地域訪問を行いました。昼間は被災地の自宅を訪問し、夜7時~9時までは、大津総合体育館の駐車場の車中泊の聞き取りを実施。昼間の訪問では、民家に血圧計と物資を持参しての聞き取りです。家の片付けに追われている中、水は出ない、いつ地震がまた来るかわからないが少しずつ作業しているとのことでした。中には高齢の方で、右手足がしびれて脳梗塞かもしれないと受診したら肺血栓症で5日間入院した方がいました。
 車中泊では南阿蘇の方で「家が全壊し赤紙が貼られ16日間車中泊で昼間は会社勤めで夜は簡易風呂に入り寝るだけだから」と軽く話されていましたが、この期間が長引くと疲労・熱帯夜・体調不良や感染症が心配でなりません。

看護学生室
看護師 岩阪 みほ子
 私は5月4日から6日の間、熊本市内の小中高・市民体育館の避難所を巡回し、避難されている方の健康状態の確認や相談を受ける業務でした。
 地震から2週間以上経ち、少しずつ日常生活を取り戻しつつある街の姿と、避難所では固い床に毛布1枚だけで過ごし、着替えも入浴も洗髪もしていない避難者とのギャップに大変とまどいました。介護が必要な方も多く、トイレに行くのにもとても苦労されていて、震災時は医療以外に介護の手が大変不足し、総合的な看護を身につけておくことの重要性を改めて感じました。
 地震当日のこと・余震のストレスなどたくさんのお話を聞きました。「学校再開のために4回目の避難所の移動をする」など、まだまだ大変な状況が続くことを想像すると、胸が締め付けられるような思いで帰ってきました。